~浄土真宗~ 浄土に生まれて往く真実の教え
- おおえかずまさ

- 1月16日
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浄土に生れて往く真実の教え
大江 和正 築地本願寺王子布教所/東広島市・妙徳寺衆徒
ご無沙汰しています。2010年3月までの本願寺広島別院勤務の際には多くの方にお世話になりました。私は今、築地本願寺勤務の後、東京都北区で王子布教所を構えて開教活動に従事しています。35万人が生活する北区ですが、西本願寺のお寺は1か寺もありません。浄土真宗のみ教えに触れられる場所が必要です。人気のラーメン屋が1階で営業する雑居ビルの2階というかなり変わった立地です。特別な縁もありませんでしたが、訪ねてきてくださる方はぽつりぽつりであっても途切れません。阿弥陀さまの強い磁力に引き寄せられてご来所くださるのです。
開所以来、法話やあいさつの際、「浄土真宗という宗派です。死んで終るのではありません。浄土に生れて往く真実の教え、それが浄土真宗です」と必ず言うことにしています。東京は他宗派が多いですし、積極的にPRして覚えてもらわなくてはならないからです。
開所まもなくのころ、年配の男性の葬儀をお勤めするご縁がありました。満中陰も終え、一周忌は墓苑での納骨を兼ねた法要でした。施主(亡くなられた男性の息子)の奥さまが管理事務所から墓地まで、私の隣について案内くださいました。「いい天気ですね」と言うと、いきなり「死んで終わりじゃないって、浄土真宗っていいですね。義父がなくなったとき、義母を励まそうとしましたが、何を言ってもダメでした。お通夜の時もどうなることかと…。目が離せないくらい落ち込んでいたんです。でも死ぬんじゃない。生れていくんだ。仏となるんだって。すごい言葉ですね」と言って、義母が元気になるのが分かったとおっしゃるのです。「嫁いだ先が浄土真宗でよかったです」とも。それを話したくて隣についてくださったのでした。
お義母さまの落ち込みようを私は知りませんでした。「…浄土に生れて往く真実の教え…」は、あくまで話の枕詞。主テーマは違う内容だったはず。しかし、そんな私の話なんかより「浄土真宗」という言葉そのものが、現代人の確かなすくいとなる言葉だと改めて教えられた時でした。
浄土真宗に触れる機会の少ない東京の方、いや、現代日本人の世界観のベースは科学になっているかもしれないです。この命は最終的に物質にかえる。無に帰す。大切な方との別れは永遠の別れ、手に入れたものを手放す絶望の時としか考えられない…。そうした時代だからこそ、死して終わりではない世界が示される浄土真宗は、一層必要とされています。
しかも、いまから私が求めるのではなくて、もうすでに阿弥陀さまが私たちの所まで確かに届いてくださっているのが浄土真宗でした。その南無阿弥陀仏の「必ず救う」というお心を、しっかりとお伝えし、お念仏を好きになってくださる方の輪が少しでも大きくなるよう、微力を尽くして参ります。
王子布教所は、東京駅からJR京浜東北線で王子駅まで20分。徒歩5分です。近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。


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