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形見の念珠

更新日:1月9日


 広島県の竹原市にある宝泉寺の前住職、菅義尚先生(かんぎしょう。2019.3ご往生)形見の念珠。「緬茄菩提樹」(めんがぼだいじゅ)という、なすびのような大玉の念珠で、すぐに紐が伸びてしまいます。3ヵ月に1回は紐を通し直さないといけません。

 真夜中でも大声で真面目な話を何時間でも熱く語りつづける菅先生は、安芸教区(広島県西部の本願寺派寺院500カ寺以上で組織)の西本願寺のお坊さんであれば、とても有名な存在でした。。。広島別院へ勤め始めた頃からずっとかわいがってくださいました。特に2年目からは当時、安芸教区の広報部長を務めていた菅先生の手足となる事務局として仕事をしました。事あるごとに呼び出され、正直に言えば「面倒くさいなぁー」と思うこともたびたびでしたが、先生はお構いなくいつでもアツイのです。菅さんは、具体的には何も文章を書きません。取材もしません。しかし菅さんの人柄に惹かれて、僕だけでなく10名弱いた広報部員が、なんだかんだブツブツ言いながらも巻き込まれて、色々仕事をさせていただきました。安芸教区から「仏事あれこれ小百科」という小冊子を2000年頃に刊行しましたが、10万部近く頒布できたのも、菅さんが言い出さなければありえなかったことです。そんな菅さんが2019年3月に突然ご往生され、御縁が深かったということで愛用されていた念珠を形見分けでいただきました。この念珠、玉がでかくて重たいので、しょっちゅう紐を取り替えなければなりません。手間のかかる念珠です。時々「面倒くさいなぁー」と思っちゃいます。まるで菅さんみたいだなぁーと紐を取り替えるたびに思い出し、「大事にせぇーよ」と昔と変わらず叱られている気がしてきます。


 昨年の11月、この大切な念珠が行方不明になったのです。焦りました。形見の品を、どこへやったのだろうと、あらゆる場所を探し回りました。。。布教所や車の中。自宅。よく行くお寺にも問い合わせし、信徒の方にも問い合わせしたりもしました。築地本願寺の心当たりのある部屋や職員にも聞いたのですが出てきませんたでした。落ち込んでしまって「やってしまったなー」と。そんな時に別件で築地本願寺のある部署に行った時…そこには以前一緒に仕事をしていた職員がいるのですが、その手元付近に見覚えのあるのはあの形見の念珠。一瞬目を疑ったのですが、「その念珠はだれの!!なんでここにあるの」って思わず言うと、誰のかわからない念珠が香房(本堂裏の僧侶の控室)にあって届けられた。落とし物だろうけど2週間も経っているからどうしようか、、、とたまたま台上に出したそのときに私が部屋に入ってきたというのです。思いがけず形見の念珠を見つけだすことができたのでした。「落とすなッー」って菅さんに怒られた気もしました!!が、でもとてもうれしかったことでした。年明けて、紐を通し直しました。色の取り合わせ、少し失敗した気もしますが、この取り合わせでしばらく使いたいと思います。なもあみだぶつ

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